おかげさまで30年


すっかり冠雪した北八ツの山々(17.11)


零細出版人の遠吠え


12/15 「トランプも顔負けのフェイクニュース」満載の報道バラエティ番組「ニュース女子」(東京MXテレビ)に対し、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会がきのう、「重大な放送倫理違反があった」とする検証結果を発表しました。
槍玉に挙がったのは、本年1月2日に放送された「沖縄基地反対派はいま」。高江地区のヘリパッド建設現場で、反対派住民が「危険な行為をしている」「日当をもらっている」といった「疑惑」をフレームアップ、番組がそれを追及するかの形をとった内容(Cf. 01/30、02/03、02/07、etc.)。
そもそも番組のスポンサーは、経営者が「右筋」で知られる大手化粧品会社DHC。そのスポンサーが企画・制作した「持ち込み企画」を、MXテレビがノーチェックでそのまま流してしまったというのが、どうやら真相。
BPO検証委員会は、「東京メトロポリタンテレビジョン『ニュース女子』沖縄基地問題の特集に関する意見」を、以下の6項目にまとめています─。

 1)抗議活動を行う側に対する取材の欠如を問題としなかった。
 2)「救急車を止めた」との放送内容の裏付けを制作会社に確認しなかった。
 3)「日当」という表現の裏付けの確認をしなかった
 4)「基地の外の」〔「キチガイ」と読ませたかったよう〕とのスーパーを放置した。
 5)侮蔑的表現のチェックを怠った。
 6)完パケ〔すべての編集が終わった完全パッケージ〕での考査を行わなかった。

いやはや、お粗末もここに極まれり。「電波の公共性」ということについて、しっかり学び直していただきたいものです。

12/14 「勝ったぁ!!」 法廷から駆け出るや、外で待機していた人々に息せきって報告する河合弘之弁護士の、ピンクのジャケットが印象的でした。
四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求め、広島市民らが申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁(野々上友之裁判長)がきのう、申し立てを却下した3月の広島地裁決定を覆し、「高裁段階では初めての運転差し止め決定」を下しました─。

「阿蘇山(熊本県)の火砕流が敷地に到達する可能性が十分小さいとはいえず、立地には適さない…〔火山噴火による危険について〕原発の新規制基準に適合するとした規制委の判断は不合理で、住民らの生命、身体に対する具体的な危険の恐れが推定される」と。

たとえ巨大噴火のリスクが「1万年に1回程度」であろうと、ひとたびそんなことが起こってしまえば、壊滅的な被害が生ずるのは明らか。
はや人々の記憶から消え去りつつある「フクシマの悲劇」にしても、「想定外の積み重ねが生んだ」ものであることを思い起こすべきでしょう。

12/13 「今年の漢字」は「北」だそうです。何やら意味深な気がしますが、一番の動機はやはり「お隣のキムさんち」のことでしょう。
核にミサイル、拉致問題…。それに最近では「木造船騒ぎ」まで加わって、メディアはコンパス(磁石)のように、「北」ばかり指しています。
そして、この「千載一遇のチャンス」に乗じて、日本の軍事費はうなぎ登りの一途。
けさの毎日新聞によると、04年に導入された「弾道ミサイル防衛(BMD)整備費の累計額が、18年度予算案で2兆円を突破する見通し」で、19年度以降にはこれに「イージス・アショア」2基分2000億円以上が上乗せされる…。
万事が万事この調子で、あれもこれもと米国に言われるがまま買い付けのお約束をするうち、来年度予算案では防衛費が6年連続で増加し、ついに過去最大の5兆1500億円(!!)にも上ってしまいました。
おかげで、このところ米軍需企業の株価は軒並み急上昇。なかでもボーイング、レイセオン、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマンの大手4社は、この1年で25%も上げたそう。
昨秋、トランプ氏が大統領に当選したとき、米国の著名な軍事アナリストが「真の勝者は軍産議会複合体(MICC)だ」と言ったと伝えられますが、まさに慧眼!

12/12 ノーベル平和賞授賞式では、サーロー節子さんの感動的なスピーチに加え、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長の講演も、大きな感銘を与えるものでした─。

「米国よ、恐怖(fear)よりも自由(freedom)を選びなさい。…
 核兵器の傘の下に守られていると信じている国々に問います。あなたたちは、自国の破壊と、自らの名の下で他国を破壊することの共犯者となるのですか。
 すべての国に呼びかけます。私たちの終わりではなく、核兵器の終わりを選びなさい!」

なのに、哀しい哉、「世界で唯一の被爆国としての特別な役割がある」(オーストリアのハイノツィ前軍縮大使)とされる我らがニッポン政府は、「条約の署名、批准は行わない」と断言(菅官房長官)。
一部に「ハト派」などとチヤホヤされてきた河野太郎外相も、「共犯者としての救いがたい思考停止ぶり」を世界に向かって露呈する始末─。

「『すべての選択肢がテーブルの上にある』と言う米国が核兵器の使用をやめたら、核抑止は機能しない。現実の脅威がある中で『お花畑理論』をかざすことは、政府としてできない」(10日、朝日新聞の取材への返答)。

「お花畑」とは何事ぞ! ノーベル賞選考委員会は、日本政府に厳重に抗議すべきではないか!?

12/11 かの宰相夫人が「自業自得のつらい1年」を語りながら自ら流した涙の気色悪さ。
「お口直し」に、ノルウェー・オスロのノーベル平和賞授賞式でカナダ在住ヒバクシャ・サーロー節子さんが語った被爆体験に、耳を傾けたいと思います。聞く人の涙を誘わないわけにはゆかない素晴らしいお話でした─。

「…8時15分、私は目をくらます青白い閃光を見ました。私は、宙に浮く感じがしたのを覚えています。
 静寂と暗闇の中で意識が戻ったとき、私は、自分が壊れた建物の下で身動きがとれなくなっていることに気がつきました。…私の同級生たちが『お母さん、助けて。神様、助けてください』と、かすれる声で叫んでいるのが聞こえ始めました。
 そのとき突然、私の左肩を触る手があることに気がつきました。その人は『あきらめるな! 押し続けろ! 蹴り続けろ! あなたを助けてあげるから。あの隙間から光が入ってくるのが見えるだろう? そこに向かって、なるべく早く、はって行きなさい』と言うのです。私がそこからはい出てみると、崩壊した建物は燃えていました。その建物の中にいた私の同級生のほとんどは、生きたまま焼き殺されていきました。私の周囲全体にはひどい、想像を超えた廃虚がありました。…
 今、私たちの光は核兵器禁止条約です。この会場にいるすべての皆さんと、これを聞いている世界中のすべての皆さんに対して、広島の廃虚の中で私が聞いた言葉をくり返したいと思います。『あきらめるな! 押し続けろ! 動き続けろ! 光が見えるだろう? そこに向かってはって行け』」。

そう、「『核抑止』なるものは、軍縮を抑止するものでしかないことはもはや明らか」です。「核兵器は必要悪ではなく、絶対悪」なのです。
この問題について詳しくは、金子敦郎さんの核と反核の70年をご一読ください。

12/08  あのアベ昭枝さんがベルギーの勲章を授与されました。「女性の活躍促進のため声を上げ、リーダーシップを発揮した」からだそうです。
「どこまでも能天気な宰相夫人」ですが、「今年は本当にいろいろなことがあり、つらい1年だった」と、涙ながらにあいさつされたそうです。
万が一にも、やましいところがないのなら、出るところへ出て「しっかリ」弁明すれば、何も泣くこともあるまいに、と思うのですがねぇ。
ところで、『サンデー毎日』12月17日号掲載の「倉重篤郎のサンデー時評」が面白い。毎日新聞の倉重さんが、先般の会計検査院の「モリ・カケ報告」について、元同検査院局長に実名インタビューをしているのですが、宰相夫人もこんなかたちで登場します─。

─国会審議の印象は?

「…森友という固有の事件について、なぜこういうことが起きたかをきちんと分析、解明しないと、本当の改善策にはならない。また同じような事件が起きると感じた」

─まさにその原因とは?

「役人だけでこういうことをやるとは考えられない」

─安倍晋三首相夫人付の女性秘書が財務省宛てに森友側の意向を受けた照会文書を出している。

「あのような文書を投げること自体、あってはならないように思う。…今回もこうやってうやむやにしてしまうと、また外から何かあった場合、同じ問題を繰り返してしまう…
 神戸製鋼、日産、東レなど一連の製造業不祥事に対して、監督官庁がしっかりと原因分析して改善しろと言っているが、今回、政府が森友問題できちんとした原因分析もなしに改善策を図る、というのは民間企業に対して示しがつかないのではないか」