花見はまずはカンザクラから(17.03)

零細出版人の遠吠え

03/27 政府・与党は、きょうの参院本会議で17年度政府予算を成立させ、「森友問題」にケリをつけてしまうのに躍起のよう。
そのことを反映してか、「もっと他にやることがあるだろう」式の論調が、あちこちで聞かれるようになりました。なかには、「もう飽きた」式の声までも…。
しかし、問題の核心はまだまだ闇の中─。

 1)カゴイケ証言の「昭恵氏からの100万円」はあったのかどうか?
 2)アベ首相夫妻は事件にどこまでコミットしているのか? たとえ直接的ではないにせよ、官僚の「忖度」にどれだけ影響を与えたのか?
 3)国有地の賃借が分割払いでの売買に変わり、そのさいに8億1900万円もの破格のディスカウントがなされた経緯は?
 4)財務省がこの件に関する資料を「廃棄した」うえ、「政治家や秘書からの問い合わせはなかった」としていることの真相は?
 5)森友学園が学校設置認可申請のために作った契約書3通の建築事業費の金額がまちまちなのはなぜか?

これらをうやむやにしたまま、「トカゲ本体の延命」を図ろうとするのを許しちゃいけません。

03/24 いやー、実に堂々たる風格でした。与党議員の質問風景から、私ゃ、「木っ端役人に囲まれた石川五右衛門」の姿を思い浮かべてしまいました。
ホントはスネに傷ある与党議員連中が、「何とか偽証罪に引っ掛けてやろう」「証言の信用性を貶めてやろう」と、何本もの投げ縄を蜘蛛の糸のように繰り出す中、堂々渡りあうカゴイケ証人…。
そんな証人の繰り出す証言は、なかなかのものでした─。
「事実は小説より奇なり」には、思わず吹き出してしまいましたが、「議員の言っていることは的外れ」は、毎度おなじみ菅官房長官の常套句「それは当たらない」のしらじらしさに比べれば、胸の空くほど共感できるものでしたし、「たたみかけるようで非常に失礼だ」は、証人席に立つカゴイケセンセの「並々ならぬ決意と覚悟」を知るに余りあるものでした。
なかでも、「一私人付きの政府職員(!?)」谷査恵子氏がカゴイケセンセの依頼を受けて、財務省に照会したことを明瞭に示すファクスの出現は、「一私人」アベ昭恵氏のこのスキャンダルへの関与を疑わせるに十分なものがありました。
で、「虚偽陳述をすれば偽証罪に問われる」証人席で「一民間人」が、重大なリスクを負いながらあれだけの証言をしているというのに、「一私人」ファーストレディ氏の方は、「昭恵夫人は中身には全く関与していない」などと官房長官に言わせているというのは、どう考えてもおかしい。
これはもう、アベ昭恵氏始め、この事件への関与が疑われる他の政治家や官僚の証人喚問が欠かせない、ということです。

03/23 けさの朝日新聞社説は、日本学術会議の「軍事研究声明案」を採り上げていました。
一昨年、防衛装備庁が「安全保障研究推進制度」を発足させて以来、いわゆる「デュアルユース(軍民両用)研究」に応募する大学や研究機関が増えています。
このことを憂慮した日本学術会議が「軍事的な安全保障研究は学術の健全な発展と緊張関係にある」として、政府による研究への介入が強まることへの懸念を表明したのが、今回の「声明案」です─。

「将来の装備開発につなげるという明確な目的に沿って公募・審査が行われ、外部の専門家でなく〔防衛装備庁〕職員が研究中の進捗管理を行うなど、政府による研究への介入が著しく、学術の健全な発展という見地から問題が多い」

として、「むしろ必要なのは、科学者の自主性・自立性が尊重される民生分野の研究資金の一層の充実である」と訴えます。
その背景には、この国の予算配分における「三重の入れ子構造」があるように思います─。まずは大枠としての「潤沢な防衛予算と貧困な文教予算」、次に「文系より理系」、そして理系の中でも「民生研究より軍事研究」といった具合。
文字どおり「貧すれば鈍する」だと思うのですが、先の戦争の深刻な反省から生まれた「軍事目的の科学研究は行わない」という「科学者の社会的責任」を、いまこそ思い起こす時ではないかと思います。

03/22 これまで3度も廃案に追い込まれている「共謀罪法案」が、小手先の目眩しを施し、こんどは「組織的犯罪処罰法改正案」などとして、国会上程することが閣議決定されました。
「組織的犯罪集団に限定する」だの、「重大犯罪を実行するための準備行為があった場合に限る」だの、「対象犯罪を277に絞る」だの糊塗したところで、人の「内心の自由」を犯し、いくらでも拡大解釈される余地があるという「れっきとした悪法」の本質は、何ら変わるところがありません。
前にも白状しましたが、零細出版人はこの悪法案のご先祖様「治安維持法」の犠牲者を父に持っていました。
すでにこの国が「戦時体制」に入っていた1933年、上京して大学に入学したばかりのオヤジは、「京大・滝川幸辰教授罷免反対!」「学問の自由を守れ!」「帝国主義戦争反対!」の垂れ幕を掲げた法文経3学部学生大会が、隣の警察署から出動してきた警官隊に弾圧されるのを目の当たりにし、強烈なカルチャーショックを受けます。
事件後、運動の主要メンバーがキャンパスから消えたあと、セツルメント活動などをしていた彼は、「毎晩帰りが遅い」との理由で特高警察に逮捕され、「治安維持法違反」のかどで市ケ谷刑務所に捕われます。
そして1936年3月末に釈放されはしたものの、その日をもって大学の方は「退学処分」とされたのでした。
そんな「父べえ」を持っていた個人的事情もあり、この悪法に対する零細出版人の嫌悪感は人一倍、というわけです。

03/21 東電福島第1原発事故によって避難を余儀なくされた住民が東電と国に損害賠償を求めた集団訴訟で、前橋地裁(原道子裁判長)は、国と東電の過失責任をはっきりと認める判決を出しました。
裁判のいちばんの争点は、東電が事故を予測できたのか、国は東電に規制権限を行使すべきだったのか、という点にありました。
これについては、国の機関である地震調査研究推進本部が02年に策定した「長期評価」で、「太平洋の三陸沖北部から房総沖の日本海溝でマグニチュード8クラスの津波地震と同等の地震が、30年以内に20%程度、50年以内に3.0%の確率で発生する」と推定。それにもとづいて08年5月、東電は「福島第1原発敷地南部で最大15.7メートルの津波」が発生する可能性を予測していました。実際、3・11に襲った津波は15.5メートルでしたから、かなり正確な予測が立てられていたことになります。
しかし「猫に小判」とはこのことです。東電はこの貴重な予測に何ら適切な対応もしなかったこと、国もそれを放置し、「規制権限不行使の違法」を犯したことが、今回厳しく問われたのでした。
その不作為から、あれだけの事故を起こしてしまったというのに、電力会社にしても国にしても、そうした構図が基本的に変わることはなく、「再稼働」へ向けて遮二無二突進しているというのが、昨今のこの国の風景のようです。
そしてちょうどきょう、渡邊登さんの「核」と対峙する地域社会:巻町から柏崎刈羽、そして韓国へが発売になります。

03/17 昨夜のテレビニュースで、カゴイケさんの自宅から出てきた4人の野党議員(そこには「天敵」共産党のコイケ書記局長の顔も)とともに、カゴイケセンセがインタビューを受ける光景を見せられたのには、度肝を抜かれました。
先だって「あんな学校つくらせちゃいけない。野党には頑張ってもらいたい」と、逆の立場からの「仰天発言」をされたコーノイケセンセなぞ、どこかへ吹っ飛んでしまったかのようです。
そしてきのうはついに、政権が最も怖れていた「カゴイケセンセの捨て身の逆襲」が始まり、「疑惑」は一気に首相の首のあたりにまで迫ります─。

「平成27年(2015年)の9月に安倍昭恵夫人が私どものところに講演会に来られた時、どうぞ、これお使いくださいと。どなたからですかと(聞くと)、安倍晋三からです、とおっしゃった。…領収書はどうしましょうかって(聞くと)、それはもう結構でございますということで…」

学校を現地視察した参院予算委員会メンバーに対し、カゴイケセンセは、そうぶちまけました。
そうなるともう、「民間人だから」などという逃げ口上は使えません。「これは放っておけない」ということで、「参考人招請」どころか急転直下、「証人喚問」が実現することになったというわけ。
それもこれも、この事件が「底なしの一大スキャンダル」に発展する可能性を示唆しているのかもしれません。

03/16 きのう日本外国特派員協会で予定されていた森友学園・籠池泰典理事長の記者会見が急遽、「延期」されました。その理由は明かされていませんが、「その筋からの何らかの圧力」があったであろうことは、容易に推察されます。
それにしてもこのスキャンダル、「小學院」の庭を掘れば掘るほど、連日のように「怪しげなゴミ」の類いがザックザク出てくるのは驚きです。
そして、きのうのサプライズは、ノンフィクション作家・菅野完さんの記者会見─。

「〔国有地売却問題が発覚・報道されてから〕籠池氏の弁護士が財務省の佐川宣寿理財局長から『10日間でいいから身を隠してくれ』と連絡を受けた」(!)

カゴイケさんがそう言っている、と。
そして、この弁護士がその事実を否定したきり辞任してしまったというのも、イマイチひっかかるところ。
「佐川理財局長」といえば、このところ頻繁に国会委員会席に立ち、木で鼻を括ったような答弁を乱発している役人。しばしば「逆ギレ」するかの不誠実な答弁姿勢は、かえって「首相の覚えめでたい」と言われます。
問題はさっそくきのうの国会質問でも採り上げられましたが、そこは厚顔無恥な財務官僚、「隠れてくれなどと言った事実はない」と言下に否定はしたものの、実は「カゴイケセンセの捨て身の逆襲」に、内心怯えているにちがいありません。