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南房総・鋸南町ののどかな山里(12.01)

零細出版人の遠吠え

01/27 さっそくきのう、件のIAEA調査団が福井県おおい町の関西電力大飯原発3、4号機を視察しました。視察後、調査団長ジェームズ・ライオンズ原子力施設安全部長は早くも、「保安院が関電の対策をしっかりと審査している状況を確認できた」と述べています。
しかし調査団が確認したとするのはあくまでも、「実際に設備が機能して安全に貢献するか」という点であって、安全対策の具体的な評価については「われわれが可否を判断するものではない」とのことです(福井新聞)。そんな印籠を頭上高だか掲げ、「皆の者、控えよ!」なんてやったところで、何の効果も期待すべくもありません。
一方、枝野幸男経産相が朝日新聞のインタビューに答え、「今夏に全国で稼働している原発をゼロと想定し、今春にも対応策を公表する方針」を明らかにしています(朝日新聞、1/27付)。原発再稼働への地元の同意を得るのが困難になっているからなのでしょうが、福井での「並々ならぬ決意とごり押しぶり」からすれば、これは一種のフェイント発言と思えなくもありません。あるいはせいぜい、事故直後の一連の「安全です!」記者会見の大失点をカバーしようというおつもりなのかもしれません。
ともあれ、原発再稼働の突破口、大飯原発3、4号機をめぐる動きから寸時も目を離すわけにはゆきません。

01/26 先日もこの欄に書きましたように、福井県の関電大飯原発3、4号機の再稼働をめぐる動きが急加速しています(Cf.01/19)。
再稼働をあせる国は、関電が原子力安全・保安院に提出したストレステスト(耐性評価)のペーパーにそそくさとOKを出したうえ、今度は国際原子力機関(IAEA)調査団に現地を視察してもらい、再稼働への駄目押しを図ろうとしているようです。
この国際機関、ともするとニュートラルな立場にあるかに見られがちですが、少なくとも、こと原発に関しては「れっきとした推進派」であることを見誤ってはなりません。要は、国や関電はこれを強行突破の「葵のご紋」にしたいということなのです。
こうして国際的なお墨付きを得たうえで、2〜3月に予定されている地元・福井県議会とおおい町議会で何としても再稼働を認めさせ、最終的なゴーサインにまで持っていく。その暁には、これを突破口に目下停止中の原発を次々再稼働に持ち込もうという算段。事態はすでにそこまで来ているのです。
最後に、この件に関して友人から届いたメイルの呼びかけを引かせていただきましょう―。

「日本の原発推進派が小学生でも分かる道理を否定しようとしている以上、もはや理性をかなぐりすて、遮二無二力で強行突破を図る方針に出ていると言わざるをえません。事態は切迫しています。大飯原発で強行突破をされると、その後の脱原発運動は極めて困難になるでしょう。
大飯原発の問題は、けっして一地方の問題ではないのです。どうしても、大飯原発の運転再開を、絶対に(!)許してはならないのです」(IK原発重要情報 70[2012年1月25日])。

01/25 朝日新聞連載「プロメテウスの罠:官邸の5日間」、きょうはその23「爆発はゼロではない」でした。
事故直後の3月12日午前4時半、首相官邸地下の危機管理センター。福島第一原発では外部電源が断たれ、核燃料の冷却ができなくなり、原子炉内の水蒸気圧力が極度に高まっていた。そんな緊張が続く中、そこに詰めていた首相補佐官・寺田学氏と秘書官・岡本健二氏が、こんな疑問を呈したという。
「ベントって何?」
部屋に詰めていた原子力の権威、あのマダラメセンセが答えます―。爆発の可能性は「ゼロではない」と。それを聞いたお二方は、さぞかし肝を冷やしたことでしょう。
それにしてもあのとき、「危機管理センター」でそんなやり取りがなされていたとは…? そんなことを知ってしまったこちとらこそ、よっぽど腰を抜かしてしまいます。いやっ、恐れ入りました。もう怒る気にもなれません。すっかり脱力感に囚われてしまいました。
おまけに政府の原子力災害対策本部がこの間の議論の議事録を残していなかったことまで、明るみに出ています。
この国の政府の言う「危機管理」っていったい何なのでしょう? 「管理」すべき「危機」は、大層な肩書きを冠した政権幹部たちのオツムの中にこそある、ということでしょう。

01/24 東京都心でも1cmちょっとの積雪。それでも交通機関は乱れるは、歩行者もあちこちでツルーン、スッテンコロリとやっています。雪国の人からすれば、「なーんだ?」ということになるでしょう。
かく言うリベルタ子ですが、雪には実は消し去りがたいトラウマがあるのです―。
とある国際会議に出かける日の朝、あいにく前日に降った雪で路面が凍結。よせばいいのに自転車で家を出、しばらく行ったところでスッテンコロリ。「何のこれしき」と立ち上がって家に戻ろうとすると、近くにいた人が私の頭の傷を見てビックリ、すぐに救急車を呼んでくれました。
結局、4針縫って、包帯をぐるぐる巻きにされました。施術が終わって、恐る恐るお医者さんに、「今晩、外国へ発たなければならないのですが、いかがなものでしょう?」と問うと、「抜糸までに帰れるならどうぞ。ただし、その間は自分で消毒・ガーゼ交換をしてください」。
「はい」とは答えたものの、まるで自信がない。いざガーゼをピリピリはがそうとすると、とても痛くてやれたものではありません。すっかり困り果てていると、「多少医術の心得がある」と言うチェコ人の若い女性が、助っ人を買って出てくれました。
「バリッ!」 要するに、一気に、無慈悲に…「医術の心得」とはこれだったのです。そりゃあ、瞬間的には飛び上がるほどの痛みです。でもそれは、あくまでも一時のことでした。
そんなこんなで雪が降るといつも、何だか頭が疼くような気がするのです。

01/23 さらに、放射性廃棄物の処理・処分の問題があります。
「盗電」がばらまいた大量の放射性物質をどうするのか? 採石場の石ですら、住宅建設にも道路工事にも使えないくらい。昨今はやりの「除染」にしたって、結局はこの厄介者を河川や海洋に流してしまうだけのこと。
けさの朝日新聞に、脱原発に踏み出したドイツで、廃炉後の放射性廃棄物をどこでどう処分するのか困っている、という記事が出ていました。もちろん、日本だって同じこと。いいえ、こちらの方が事態はもっと深刻になるに違いありません。いったんは高レベル廃棄物最終処分場の候補地に手を挙げた高知県東洋町もすぐ手を引っ込めてしまったし、福島第一原発のある浜通りだって、放射能はもうこりごりでしょう。
要するに放射性廃棄物の有効な処理・処分法も見当たらないし、それを安全に保管できる場所もない。どうみてもこれはもう「重度の糞詰まり症状」と言うしかありません。なのになぜ、この期に及んで原発に寄りかかろうとするのでしょう?
そしてまったく解せないのは、「次世代にツケを回さないために」なんて言って消費税率を上げようとしている同じ人々が、何でいつまでも放射性廃棄物を出し続けようとするのだろう? ということです。

01/20 福島第一原発2号機の原子炉格納容器内に初めて工業用内視鏡が入り、おぼろげながら中の様子を窺うことができました。
水蒸気や放射線の影響で画像は不鮮明ですが、いくらカメラを下げても水面を確認できない、つまりは、予想以上に水位が下がっているということだけははっきりしました。改めて、どぜう氏の「事故収束宣言」がいかに根拠の乏しいものであるかがわかるというものです。それにしてもこの内視鏡が、多額の損失隠しを問われているオリンパス社製というのも、何か奇妙な巡り合わせのようにも思えます。
閑話休題。福島在住生活評論家・境野米子さんが、「放射能汚染は自然の循環を生かす有機農業の考え方を180度変えてしまった」と書いています(「福島だより2:断ち切られた自然の循環」『週刊金曜日』1/20号、p. 40)。
これまで堆肥として使ってきた雑草はポリ袋に入れてゴミ集積所に出さなければならなくなった。囲炉裏で木を燃すことができなくなり、茅葺き屋根の維持も困難になってしまった。家畜・家禽飼料も「輸入物の方が安全」ということになってしまった。…etc.
原発から遠く離れた「ホットスポット」に住まうリベルタ子も、目下似たような境遇にあるので、大いに共感。つい先だってまで、原発は「地球温暖化防止の切り札」だなんて真顔で言う人々がいたものですが、冗談じゃない。境野さんが言うよう、原発は自然の循環を断ち切るとんでもないシステムだということなのです。

01/19 福島第一の事故や定期点検入りなどのため、この国の原発で現在も稼働中はたったの5基。このまま行けば4月には全54基が停止する雲行きです。再開を焦る「どぜう政権」と財界は、いよいよ本気で反転攻勢に出てきました。
きのうはさっそく、経産省原子力安全・保安院が福井県の関電大飯原発3、4号機のストレステストの1次評価を妥当とする審査結果を専門家の意見聴取会に提出しています。これについては、聴取会メンバーからも異論が出ているのに、十分な説明がなされていない。津波対策にしても、目下関電が海底の活断層等を調査中だというのに、結果を待たずに早々と「これでよし」としてしまう。
これを突破口に、あわよくば全機に「内定」を出そうとしている下心が見え見え。どうやらこのテスト、「原発再稼働のためのアリバイづくり」とみたほうがよさそうです。
で、ここにきてタイミングを見計らったかのように、政府・東電が電気料金値上げを言いだした。「原発が再稼働しないと、毎年8千億〜9千億円規模の赤字が続き、電気事業が成り立たなくなる」というわけです。
「盗っ人猛々しい」とはこのことです。東電の「盗電」たる所以です。