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空気を読ま(め)ない本たち


山の秋の到来を告げるマツムシソウ(17.09)


零細出版人の遠吠え


10/20 きょうは『日刊ゲンダイ』の「直撃インタビュー」から─。インタビューに答えるのは、早大法学学術院教授・長谷部恭男さん。
話題の中心は、この5月アベ首相が唐突にぶち上げた「憲法9条の見直し」について。そう、9条2項はそのままにして、3項に「自衛隊の現状を書き込む」というやつです。

「自衛隊の現状を書き込むというのであれば、2014年の閣議決定で曖昧な解釈変更〔集団的自衛権の容認〕をした前の状態に戻してもらわなければならない。その書きぶりもどうなるのか分かりませんね。具体的な条文案が何も出てこない。ぼんやりしたまま、とにかく賛成ですか反対ですかと言われても有権者は判断しようがありません」

おまけに首相は、改憲そのものを自己目的化していて、あれこれ取って付けたような理由を持ちだしては、憲法を変えようとします。

「言うことがころころ変わる。96条を変えると言って、すぐ引っ込めたり。場当たり的に言うことが変わるので、予測不能です」

そんな首相は、「目的が分からないだけ不気味だ」と長谷部さんは言います─。

「いやしくも首相という職に就いているのであれば、何か実現したいことがあってしかるべきでしょう。そのために改憲がひとつの手段であれば分かるが、…改憲で何をしたいのかが見えないのです」と。

そうなんです。中身が空っぽというのは、ひょっとして「不気味」なだけでは済まないのかもしれません。

10/19 3日後に迫った衆院選は、改憲勢力が定数の3分の2(310議席)を占めそう、といった見方がもっぱらの大勢。
となれば、いよいよ国会で「憲法改正」が発議され、その是非を問う「憲法改正国民投票」が行なわれることになります。
しかし、そこには「制度上の致命的欠陥がある」と訴えているのは、最近、岩波ブックレット『メディアに操作される憲法改正国民投票』を出版した作家・本間龍さん。
そんな本間さんに「メディア黒書」の主宰者・黒薮哲哉さんがインタビューを試みています(「憲法改正と電通、国民投票の危険な欠陥」)。
本間さんが第1に指摘するのは、国民投票法には広報活動に関する規制がほとんどないこと。というわけで、

「資金さえあればテレビCMをどんどん流し、新聞広告を好きなだけ出稿することができます。また広報活動のための寄付金をどこから受けてもいいし、寄付額の上限もありません。経理明細の報告義務すらないのです。」

結果、資金力の潤沢な改憲派が優位に立つことになるのは、目に見えています。そこに大手広告代理店・電通が介在し、圧倒的な広告・宣伝戦略を展開します。
ということは、マスメディアにとっても「大特需」となります。おのずとその論調も、よりたくさんの広告費を出してくれる改憲派になびくことになるのでしょう。
そうしたことを避けるには、「広告費の上限を設けて資金量による不公平をなくすこと、テレビCMの放映に制限を加え、両派の放映回数を平等にすること」が急務だ、と本間さんは強く訴えます。

10/18 「思想や信条を理由として、俳句を月報に掲載しないという不公正な取り扱いをしたことにより、女性の利益を侵害した」─。

先日、さいたま地裁が下した、近年にしては珍しくまっとうな判決です。

「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」─。

集団的自衛権の行使を容認する「戦争法案」(安保法制)に国じゅうが揺れた3年前、さいたま市の一女性が詠んだ俳句です。
これを地域の公民館が、「公平・中立の立場から掲載は好ましくない」との理由で、それまでの慣例を破って公民館の月報への掲載を拒否。それに対して、裁判所が「違法」の判断を下したのでした。
判決でさらに注目されるのは、掲載拒否を決めた公民館職員がいずれも元教員だったことから、次のような推認を加えている点です─。

「教育現場において、国旗国歌に関する議論、憲法に関する意見の対立を目の当たりにして、辟易しており、一種の『憲法アレルギー』のような状態に陥っていたのではないか」と。

憲法99条で「憲法の尊重・擁護義務」を負っているはずの閣僚や国会議員らが、率先してこれをないがしろにしている昨今、この指摘はきわめて重大な意味を持っていると思います。

10/17 先日、テレビニュースでチラッと見た立憲民主党・枝野幸男代表の街頭演説会に、えらく熱気を感じるところがあったので、もっとその様子を知りたいと思っていたら、「Biz-journal」にライター・長井雄一朗さんの記事を見つけました。
「有権者に『排除』され始めた小池百合子氏…希望の党候補者が小池氏の意向を無視し批判開始」とのタイトルで、この14日、新宿での「伝説になるかもしれない」演説会の様子を伝えています。
応援に駆けつけた漫画家・小林よしのり氏の演説が、また何ともふるっています─。

「枝野氏は前の仲間を悪く言わないが、ワシは立候補していないから、あえて言う。小池氏と前原氏は、腹を切るべきである」と。

これには聴衆から「そうだっ!」の声や笑い声が起こったそうです。
また、新右翼「一水会」元最高顧問の鈴木邦男氏も、「昔は、改憲すれば日本はよくなると思っていたが、今はそうは思わない」と続けます。

「応援団」の顔ぶれも多彩ですが、トリの枝野氏の演説も、なかなか気合が入っていました─。

「国民に最大限納得してもらう努力をしない民主主義は、民主主義ではない。立憲主義と民主主義が動くことで政治は健全になる。こんな上からの政治は社会の分断を図り、政治離れが起きる。今こそ、草の根の民主主義が必要だ」

これぞ「元祖 "愚直" を地で行く正攻法」、「愚直」にかけては決して引けを取らない零細出版人も、すっかり感服。
けどこの言葉、いちばん似つかわしくない強シンゾー氏にだけは、使ってほしくない。

10/16 衆院選の投票日まであと1週間、大方のマスメディア予測では、「自民党は300議席を超える可能性がある」(13-15日実施の毎日新聞特別世論調査)そうです。
しかし、同じ調査で「衆院選後も安倍晋三首相が首相を続けた方がよいと思うか」と問うたところ、47%が「よいとは思わない」と答えたとのこと。
この落差は、疑惑まみれの「アベ政治」に嫌気がさしているものの、それに代わる確かな選択肢を見出しえない選挙民の迷いを反映しているのかもしれません。
そんな状況をもたらしたのは、直前まで追求してきた「野党協力」をご破算にしたうえ、事実上解党してしまった民進党の不甲斐なさでしょう。「緑のタヌキ」にまんまと計られ、細川護熙元首相も危惧していたように「名も実も魂も」すっかり取られてしまったのでした。
にわか仕立ての「希望の党」の「希望」はそげ落ち、早くも「失望」や「絶望」へと変わりつつあります。なぜなのでしょう? 朝日新聞「Web Ronza」の2論文が、そのことを明らかにしています。
ひとつは、弁護士・郷原信郎さんの「希望の党は反安倍の受け皿としての『壮大な空箱』」で、同党が、小池氏主導で公約などを決定し、党組織としてのガバナンスが存在しない点を鋭く突いています。
そしてもうひとつが、上智大学教授・中野晃一さんの「本当は怖い小池百合子氏のリセット」です。小池氏がポピュリズムで進める「新右派転換」によって、戦後リベラルの価値観・規範が崩壊の瀬戸際に追いやられていることに、強く警鐘を鳴らしています。
多くの選挙民はいま、こうしたことに薄々気づきはじめているのかもしれません。「緑のタヌキ」に化かされ、しこたま「木の葉」を掴まされかけた方々が、一刻も早く正気に戻られるよう、零細出版人は強く「希望」します。

10/13 おとといのテレ朝「報道ステーション」党首討論での「森友問題」に対するアベ首相発言には、びっくりを通り越して呆れ果ててしまいました─。

「籠池さん自体が詐欺で逮捕され、起訴されました。…こういう詐欺をはたらく人物のつくった学校でですね、妻が名誉校長を引き受けたことは、やっぱり問題があったと。こういう人だから騙されてしまったのだろうと」

そこには、この人物の「卑怯者ぶり」が、余すところなくさらけ出されています。あからさまな「トカゲのシッポ切り」はもとより、自分に都合の悪いことはすべて「妻が、妻が…」で逃げ切りを図るつもり。
もう記憶も薄らいでしまったことでしょうから、ご参考までに、疑惑が発覚し始めた頃の「遠吠え」を引っぱり出しておきましょう─。

 02/22 「もっと傑作、かついかがわしいのは、寄付金を募ったときのその名です。ナなんと『安倍晋三記念小学校』ですって!
 『悪い冗談』というのはふつう、このへんでお終いとなるのですが、これにはさらに続編があるのです。ナナなんと、記念に名を冠された宰相の妻・安倍昭恵氏が『名誉校長』を務めるんだそうです。
 このことを国会で質された『記念政治家』氏、血相を変えて『関係していれば総理も国会議員も辞める』などと息巻いていましたが、『妻から学園の先生の教育への熱意はすばらしいという話は聞いている』などともおっしゃっています。」

 02/24 「くだんの『小學院』の『名誉校長』にめでたく就任された安倍昭恵氏が、同学園傘下の幼稚園で行なった講演から─。
『こちらの教育方針は大変、主人〔シンゾー氏〕も素晴らしいと思っている。(卒園後)公立小学校の教育を受けると、せっかく芯ができたものが揺らいでしまう』」

 02/27 「世間様がくだんの学園の異常さに気づき、疑惑の目を向け始めたからなのでしょう、せっかく『名誉校長』に就任あそばされたファーストレディを辞任させ、いつの間にか『名誉校長 安倍昭恵先生 安倍晋三内閣総理大臣夫人』の写真も挨拶文も、学園HPから削除してしまいました。
これを『隠蔽じゃないか』と国会で追及した民進党議員に、当のご仁はブッちぎれ─。
『隠蔽というのはですね、隠蔽というのは、隠蔽というのは、じゃあ、私が隠蔽したんですか! 私がですね、私が森友学園のHPに対して隠蔽しようがないじゃないですか!』」

もう支離滅裂。ばっかばかしいったら、ありゃしない。