back number 2018-02(February)

画像ネタ不足のこの季節の定番(18.01)

02/28 中国共産党中央委員会が、「国家主席の任期は連続2期10年まで」とする条文を憲法から削除する改憲案を全国人民代表大会(全人代)に提出しました。
そもそもこの条文は、文化大革命(1966〜76年)の混乱の教訓から独裁体制を防ぐためにつくられたものでした。それをいまになって削除しようというのは、「習近平体制の永続化」、よりはっきり言えば「習近平独裁体制の確立」を狙ったものとしか思えません。
ピョンチャンの羽生結弦選手は海外で、「王子」から「皇帝」へ、「皇帝」から「神」へと評されるほど大人気を博したそうですが、習近平氏はその向こうを張ろうとでも考えているのでしょうか?

そんな習氏には、イギリスの歴史学者ジョン・アクトン卿の有名な格言を捧げたいと思います─。

 「権力は腐敗する。絶対権力は絶対腐敗する」

そう、習氏が権力闘争の具に使ったと思われる「反腐敗闘争」も、いずれはブーメランとなって、「クマのプーさん」のおでこを打つことになるでしょう。

02/27 「大学生が本を読まない」と聞いても、もう誰も驚くことがありません。でも、さすがに「53.1%の学生が1日の読書時間ゼロ!」となると、「えっ、ついにそこまで…!?」と、ある種 "感慨" すら覚えてしまいます。
全国大学生協連の「第53回学生生活実態調査」が、そんなミゼラブルな状況を伝えています。
しかもその数は、前年より4%増、この5年間で18.6%も増えているそうです。
本屋としては「もうやってられない惨状」と言うべきでしょうが、同志社大学学習支援・教育開発センターの浜島幸司さんは、その原因をこうまとめています─。

 1)スマホ時間による直接的な強い効果はみられない。
 2)勉強時間も直接的な強い効果はみられないが、スマホ時間より強い。
 3)2014年を頂点として読書習慣のある学生は年々減ってきており、1年ごとに読まなくなってきている。
 4)〔スマホというより〕高校までの読書習慣が全体的に下がっていることの影響が大きい。

ということですが、いずれにせよ、出版界が立ち行かなくなることだけは確かなようです。

02/26 平昌五輪が閉幕しました。この間、新聞もテレビも、「ピョンチャン、ピョンチャン…」。おかげで零細出版人のメディア接触時間は、いつもと比べ、だいぶ減ったようです。
そんなことを言っていると、どこかから「コクゾクー!」なんて罵声が飛んできそうなご時世ではあります。それでもやっぱり、あの「ガンバレ、ニッポン!」の唱和には、どうにもなじめない人も多いのではないでしょうか?
国別にメダル獲得数を競い合うなぞ、愚の骨頂。そんな中でも、スピードスケート女子500メートルでトップに立った小平奈緒選手が、競技後、2位となった韓国の李相花(イサンファ)選手に歩み寄って肩を抱き寄せた、というエピソードには、何かホッとさせられるものがありました。
で、零細出版人の提案─。
ドーピング疑惑のために今回は国としての参加を許されなかったロシアは、OAR(Olympic Athlete from Russia)を名乗り、あるいは個人の資格で参加しました。そこで今後は、その手の疑惑があろうがなかろうが、みんなこの先例に倣う、というのはいかがでしょう?
さしずめ日本なら「OAJ」で、政府はカネは出しても、決してクチは出さない。いわんや、首相が「スーパーマリオ」なぞに扮して閉会式にしゃしゃり出る、なんて所業はいっさい禁止する。そして、運営はすべて競技団体に委ねる。
そうすれば、「第2、第3の小平選手」が続々出てくることになるかもしれません。

02/23 「裁量労働制」についての国会論戦で、アベ首相が「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いデータもある」との1月29日の衆院予算委での答弁を撤回、あたかもこのお方には珍しく「謝罪した」かの報道が流れています。
でも、実態はどうなのか?
そもそも、この「働き方改革」とやらをめぐる政府答弁には、「モリ・カケ」同様、たえず怪しげな思惑がつきまとっています。
たとえばきのうの衆院予算委員会では、14日には「実際の調査票はなくなっている」としていた同省の調査原票が、突如、「徹底的に調べた結果、私ども〔厚労省〕の倉庫にあった」(加藤勝信厚労相)となります。まるで「モリ・カケ」のときのサガワ答弁そっくりの構図ですね。
しかし、これに輪をかけて悪質なのが、アベ首相の答弁態度です。20日にもまた「植木等さん顔負けの無責任ぶり」を遺憾なく発揮しておられます。14日に撤回した答弁についての責任を問われると─、

「詳細について答弁するのはもちろん厚生労働相… 答弁が厚生労働省から上がり、参考に答弁した。これ以上ではない」

と、まあ、「あれは厚労省の役人の責任で、ボクちゃんはそれを読み上げただけ」で済まそうとする魂胆。
まるで「スーダラ節」の世界じゃないですか?

02/22 きょうもまた金子兜太さん。それにしても「ひとりの俳人の死」がこれほどメディアを賑わし続けるのは、ごく異例なことです。それほどに「兜太さんの存在感」は大きかった、ということなのでしょう。
ちなみに、きのうからの東京新聞を覗いてみると…

▽金子兜太さん死去 戦場の過酷さ、弾圧語り「平和の俳句 一番大事」(21日)

▽金子さん訃報、被爆者ら惜しむ声 「痛みに寄り添った人」(21日)

そして、きょうになると…

▽金子兜太さん死去 「人間への洞察 私たちを導く」(作家・いとうせいこうさんの追悼文)

▽「俳句弾圧不忘の碑」 故金子兜太さんが呼び掛け

と、社会面に2本。さらには、社説(「金子兜太氏死去 平和の俳句たたえつつ」)にも、コラム「筆洗」にも… さながら「兜太さん特集」の趣です。
それだけではありません。実は数日前には、「フライイングの死亡記事」までもが流れてしまい、関係メディアは平謝りに追われていたのですが、そのことをいとうさんは、さらりと流しています─。

「死亡記事が通信社の誤報で流れたことも、我々のショックをやわらげるための兜太さんの優しい冗談だった気がしてくる」と。

金子さんというのは、そのような人柄だったよう。

02/21 「俺は百五十まで生きるんだ」─。そう豪語していたという「平和の俳人」金子兜太さんが、きのう97歳で亡くなりました。
金子さんといえば、「戦争法案」(安全保障関連法案)で国中が揺れた2015年、「アベ政治を許さない」を揮毫、反対運動の盛り上がりに寄与したことでも知られます。
その7月、尊敬する知人から届いた作家・澤地久枝さんによるユニークなアクションの呼びかけを再録させていただきましょう(Cf.15/07/06)─。

「アベ政治の非道に、主権者一人ひとりの抗議の意思をいっせいに示そう。

全国共通のスローガンを、同時に掲げる。言葉は"アベ政治を許さない"
文字は金子兜太さんが書いてくださいました。
掲げるポスターはコチラ⇒

  

このコピーを一人ひとりが道行く人に見えるようにかかげるのです。政治の暴走をとめるのは、私たちの義務であり、権利でもあります。」

呼びかけられたその日、零細出版人はあいにくトレッキングの予定があり、国会前には行けなかったのですが、意を決し、お山の上でアピールすることに。

  

山道で行き交った幼い女の子が母親に聞いていました─。

 「あれ、なんてかいてあるの?」
 「ふーん、あべせーじってなぁに?」
 「……」

ともあれ、それなりの反響があったというわけ(Cf.15/07/21)。
そして、兜太さん亡き後、私たちは偉大な先人の遺志をこう継ぎたいものです─。

 「いつまでもアベ政治を遺さない」

02/20 きのう「原発推進の矛盾」について毅然と批判する吉原毅さんの発言を紹介したばかりですが、けさの朝日新聞(小坪遊記者「再エネ外交、推進提言/外務省会合」)によると、同じ日、外務省の有識者会合が、「地球温暖化対策で再生可能エネルギー外交を推進し、世界をリードする」とした提言を、河野太郎外相に提出したそうです。
提言は、河野外相の肝いりで再生エネや電力自由化などを推進する研究者や環境NGOなどのメンバーを中心に作成されたということですが、「世界がエネルギー転換に向かう中で、日本の立ち遅れが顕著になっている」として、「再エネ外交」の推進を訴えています。
しかも原発については、すでに経済競争力を失っていて、「ベースロード電源として必要という考え方は過去のもの」とまで言いきっています。
どうってことありません。きのうの吉原さんと同じことを言っているだけです。産経社説のような言い草は、海外ではもう通用しないということです。少しでもグローバルな視野をもちあわせているなら、もはやそんなことを真顔で言っていられない事態なのです。
「井の中の蛙」たる「原子力村のムラ人」のみなさんや、その背後で糸を操る経産官僚らの思惑と、今回の外務省有識者会合の提言との軋轢が今後どうなっていくのか、興味が尽きないところです。

02/19 「こんな経済人がもっといたらなぁ」─。
『日刊ゲンダイ Digital』の「注目の人 直撃インタビュー」(「吉原毅氏突く原発推進の矛盾 "自然エネは儲かる" が新常識」)を読んで、そんな思いをいたしました。
「注目される人」は、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟会長の吉原毅さん。先月、小泉純一郎元首相らと「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を発表しています。
ところがこれに対し、政権ご用達の産経新聞が、1月14日付社説で、「自然エネルギー=高コスト論」という使い古された謬論を盾に噛みつきます。曰く、「亡国基本法案だ」「夢想の虚論だ」「これでは国が立ちゆかぬ」と。
しかし、そこは「コスト計算」が専門の元城南信用金庫理事長氏。一知半解の産経社説子に、含んで聞かせます─。

「海外で言ったら、笑われますよ。世界の常識を全くご存じない。自然エネ価格は世界規模で急速に低下し、比較的低コストの石炭や天然ガスよりも安くなっています。太陽光の最安値は1キロワット当たり1.77セント。円換算で2円を切る。風力も肉薄しています」と。

なのにこの国は、いまだに「原発はベースロード電源」などと言い続けているものですから、自然エネルギー開発では世界に大きく後れをとるばかり。
では何で、政府はそこまで「原発」に固執するのでしょう?

 「原子力ムラのエゴイズムです」

吉原さんはこう言いきります。それは「今だけ、金だけ、自分だけ」の発想だ、と。

「政官財ともリーダー不在で、誰もが政策転換の責任を負うのを恐れている。戦前の日本軍も…時代遅れの『大艦巨砲主義』に固執し、…この国は一度、滅びたのです。現政権は同じ轍を踏んでいるように見えます。」

02/16 すでにご案内のように、確定申告受付が始まるきょう、全国各地で「納税者一揆」(モリ・カケ追及! 緊急デモ)が "爆発" します。
森友学園への国有地売却問題に関し「記録は残っていない」などと、国会でさんざん虚偽答弁を繰り返した佐川宣寿国税庁長官(前財務省理財局長)を厳しく糾弾する声は、いまも止むことがありません─。

「これから確定申告の時期だというのに国税庁長官は自らの虚偽答弁を認めるのが嫌で記者会見から逃げ回り、財務大臣もそれを許している。納税者には書類を何年も保存するように言っておいて自分達は昨日の書類も捨ててしまう。この国の行政は今、確実に国民の信用を失いつつある」と。

小沢一郎自由党代表は2月7日の事務所公式Twitterで、こうツイートしていますが、至極もっとも。
そして、「森友学園疑惑を巡る国会論戦は、ウソやごまかしにまみれている」と断言するのが、「『森友学園疑惑』の『呪縛』再び/逃げ切れないぞ! 佐川国税庁長官 首相答弁のフェイク度を徹底検証」(『サンデー毎日』2月25日号)。
疑惑を追及された場面での「首相答弁を構成する要素」の分析が、なかなかに面白い─。

 1)籠池被告の発言の変遷や些末な事実誤認をあげつらって「籠池はウソつきだ」と言外ににおわせる。
 2)「籠池発言を事実として政権を批判した」と野党への逆恨み。
 3)『朝日新聞』を中心にした報道批判。
 4)聞かれたことをはぐらかしながら1)〜3)を繰り返す時間稼ぎ。
 5)ヤジに過剰に反応。

では、「本当のウソつき」は、いったい誰なのでしょう?

02/15 きょうは外での仕事のため、確定申告の始まる明日に予定されている「モリ・カケ追及! 緊急デモ」のお知らせ転載にてご勘弁を─。

        《モリ・カケ追及! 緊急デモ》

     悪代官 安倍・麻生・佐川を追放しよう!
       検察は財務省を強制捜査せよ!
      安倍昭恵さんは証人喚問に応じなさい
         納税者一揆の爆発だ!

   主催「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」

       〈行動スケジュール 2月16日(金)〉
    13時30分  日比谷公園 西幸門 集合
    13時40分〜 財務省・国税庁 包囲行動
    14時15分  デモ出発(西幸門)
         → 銀座・有楽町の繁華街を行進
    15時(予定) 鍛治橋(丸の内)で解散

02/14 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)がまとめたところによると、再生可能エネルギーの発電コストは、2010年からの7年間で大幅に下がったそうです(東京新聞、2月13日)。
ちなみに太陽光の場合、2010年時点では世界平均1キロワット時当たり36セント(39円)だったものが、17年にには10セントにまで下落。陸上風力も、8セントから6セントに下がっています。
これに対し、火力発電のコストは5〜17セント(5〜18円)ですから、いまやどっこいどっこい、2010年までには逆転することは明らかなようです。
同機関のアミン事務局長は「再生エネへの転換は、環境への配慮というだけでなく、今や経済的な選択だ」と胸を張っていますが、そのことは小泉純一郎さんが言うように、もはや「政治の決断」こそが求められている、ということでしょう。

02/13 作家・室井佑月さんの「リテラ」連載対談「アベを倒したい!」が面白かった。第9回のゲストは、元首相・鳩山由紀夫さん。
前編は「沖縄・米軍基地問題を語る! なぜ『最低でも県外』は実現しなかったのか?」、後編は「安倍政権を批判する鳩山由紀夫元総理に、室井佑月が『鳩山さんがお金を出して』と要求したこととは?」でした。
いつもながら歯に衣を着せぬ質問を投げ掛ける室井さんに、元総理も率直に応じます─。

 室井 アメリカに逆らった首相や政治家は、…失脚する人が多くて。"見えない力" が働いているなんて都市伝説のようになっていますが、本当のところは、どうなんですか?
 鳩山 私の「最低でも県外」という発言に対し、アメリカから直接圧力があった事実はないんです。あの国のやり方は直接ではなく "間接" なんですね。つねに官僚が間に入り、官僚同士で話が進む。実際、アメリカに私の主張がきちんと伝わっていたかどうかすら、いまとなっては疑問です。日本の役所がそこまで頑なで、米国の事情を事前に忖度し、毒されているとは思いませんでした。

「日本の右傾化」についてのやりとりも、面白い─。

 室井 今の右傾化と安倍一強という社会全体の流れは、はっきり言わせてもらうと民主党政権が…期待はずれだったという反動もあると思うんです。
 鳩山 確かにひとつは民主党政権に期待したけど「ダメだったじゃないか」いう部分は、自戒を込めてあると思います。…そして右傾化のもうひとつの理由は、日本自体が自信を失ってきているからだと思います。…そんな状況下で、隣人に対する妬みのようなものが募ってきて、それが中国脅威論に結びつく。相手を認める余裕がなくなってきてしまっていると思う。

そして、室井佑月さんの単刀直入な「お願い」─。

 室井 鳩山さんに会ったらぜひお願いしたいことがあったんです。鳩山さんはお金持ちじゃないですか。だったらテレビ番組をひとつ持ったらいかがですか?「ニュース女子」の逆版みたいな番組。
 鳩山 なるほどね。どれくらいお金かかるんだろうなあ。…室井さんの提案は前向きに考えましょう(笑)。

それにしても、そんな鳩山さんが昨年9月、辺野古で「アベ政治を許さない」とプラカードを掲げて座り込みをしたというのは知りませんでした─。

 鳩山 私は総理時代、沖縄問題とくに普天間基地移設に伴う辺野古問題の対応に失敗しました。「最低でも県外」と言ったのに実現できなかった。県民の強い怒りも受けた。それだけに私は、その反省の意味も込めて、愚直に沖縄に関与していきたいと思っているんです。

やっぱりこの人、どこまでも実直な方とお見受けしました。

02/09 きのうの産経新聞朝刊は、昨年12月に沖縄市で起こった交通事故をめぐり「米兵が日本人を救出した」と伝えた記事(12月12日付)を、「取材が不十分だった」として削除するとともに、「記事中、琉球新報、沖縄タイムスの報道姿勢に対する批判に行き過ぎた表現がありました」と両紙と読者に謝罪しました。
これは先月末、当欄でも 「これぞフェイクニュースの格好の見本!」として採り上げたものです(Cf. 01/31)。

「産経新聞は、自らの胸に手を当てて『報道機関を名乗る資格があるか』を問うてほしい」

あの「美談仕立てのフェイクニュース」を伝えなかったとして、「これからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」とまでなじられた沖縄2紙のひとつ、『琉球新報』の反論記事(1月30日付)にはそうありました。
「そして、ブーメランは帰ってきた」─。まさにそのとおりになった、というわけです。
ここでもうひとつ見逃してはならないのが、『沖縄タイムス』編集局長のコメントです─。産経新聞の今回の「記事削除とおわび」措置に対し、「報道機関として評価します」と述べているのです(同紙、1月8日付)。
荒んだ「ネット世論」に煽られてしまった「本土メディア」が、「守礼の邦のメディア」に学ぶことは多い、ということなのかもしれません。

02/08 読者・書店・取次店のみなさまには、常日ごろより大変お世話いただきまして、まことに感謝に耐えません。
 さて突然ですが… 小社、1987年9月より出版活動をスタート、爾来30年余りにわたって、社会問題を中心とした地味な書籍の出版を続けてまいりましたが、諸般の事情から、本年4月をもって出版活動を休止させていただくことにいたしました。
 永年にわたるみなさまのご厚情には、深く感謝申し上げる次第です。
 なお、本年4月末までは在庫書籍を出荷することができますので、お買い漏らしのなきよう、この機会にぜひご購入いただければ幸甚です。

02/07 けさの朝日新聞オピニオン&フォーラム「憲法を考える」は、あの「戦争法案」(「安保法制」)に反対した元内閣法制局長官・阪田雅裕さんでした(「自衛隊を明記するとは」)。
第9条に自衛隊を明記するという安倍首相の改憲案では、「白紙委任」になる恐れがあるとの立場から、現行憲法第9条1、2項に、以下3-5項を加えるという「阪田流改憲私案」を提起します─。

「3 前項の規定は、自衛のための必要最小限度の実力組織の保持を妨げるものではない。
 4 前項の実力組織は、国が武力による攻撃をうけたときに、これを排除するために必要な最小限度のものに限り、武力行使をすることができる。
 5 前項の規定にかかわらず、第三項の実力組織は、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされる明白な危険がある場合には、その事態の速やかな終結を図るために必要な最小限度の武力行使をすることができる。」

「限定的な集団的自衛権」の容認を盛り込むところがミソのようですが、適用にあたっては、「限定的」の具体的な境界がたえず問題とならざるをえないでしょう。
しかし、このような「改正案を国民投票にかけることで、安保法制が合憲か、違憲かという問題も決着します」、あるいは「安保法制の内容を盛り込んだ…改正案が国民投票で否決されれば、安保法制は白紙に戻らざるを得ない」といった見方には、限りない興味を覚えます。

02/06 辺野古の新基地建設に揺れる沖縄県名護市長選で、新基地建設反対の現職が破れました。
共同通信などの投票所出口調査によると、「辺野古移設に反対」「どちらかと言えば反対」が合わせて64.6%に上ったそうですが、選挙結果はこれと反対。
では何で、そんなことになったのでしょう?
当選した自公維候補が「海兵隊の県外・国外移転」を公約に掲げ、「新基地建設の是非」には触れなかったこと(争点隠し)もあるでしょうし、前回は「自主投票」だった公明党が今回は明確に自民党と手を組んだ、ということもあるでしょう。
しかし、「そう単純なものでもなさそうと思える事情」が、きのうの『沖縄タイムス』のコラム「大弦小弦」(阿部岳記者)にありました─。

「選択肢の間で、ペンは揺れ続けた。名護市長選の投票を終えた人にお願いした出口調査。調査票の候補者名にすんなり丸を付けた後、考え込んでしまう姿が目立った
▼『辺野古移設には賛成ですか』。5秒以上迷って、ペンを投げ出す人がいた。20年以上翻弄されてきた名護では単なるアンケートではない。それは時に生き方の選択になり、呼び起こされる痛みがある…」

だとすれば、今回の結果から「辺野古移設は信認された」として、遮二無二工事を進めようとする政府のやり方は早計というものではないでしょうか?

02/05 おととい、米国防総省が新たな核体制の見直し(NPR=Nuclear Posture Review)を発表。オバマ前大統領の「核なき世界」から、「トランプ米大統領がより積極的、衝動的に核を使用できるようにする」(米シンクタンク軍備管理協会のダリル・キンボール会長、東京新聞2月4日付)へと方針転換しました。
さっそくこれに「恭順の意」を示した「属国」外務大臣の談話を読んでビックリ─。

「今回のNPRは、…北朝鮮による核・ミサイル開発の進展等、安全保障環境が急速に悪化していることを受け、米国による抑止力の実効性の確保と我が国を含む同盟国に対する拡大抑止へのコミットメントを明確にしています。我が国は、このような厳しい安全保障認識を共有するとともに、米国のこのような方針を示した今回のNPRを高く評価(!)します。」

「核兵器禁止条約」の交渉に参加せず、「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のノーベル平和賞受賞には祝意すら示さなかった「"唯一の被爆国ニッポン" の政府の本心ここに見たり」といったところ。
「"サンチョ・パンサもびっくり" の類いまれな従者ぶり」は、もはや世界の笑いものでしかありません。

02/02 先日、大学教授の情報開示請求で、森友学園への国有地売却問題をめぐって財務省内部で法的検討をした5件の文書が公開されたばかりですが、またまた新手の重要証拠の存在が明るみに出てきました。
きのうの参院予算委員会で、共産党・辰巳孝太郎参院議員が明かした新たな音声データ。そこには、2016年3月、国有地で「新たなごみ」が見つかったとして、籠池泰典理事長らが近畿財務局、大阪航空局との協議の場で籠池氏が語ったサプライズ発言が入っています─。

「昨日、われわれが財務省から出た途端に、安倍夫人から電話がありましてね。〔昭恵夫人は〕『どうなりました? がんばってください』と」

どうみてもこれは、「昭恵氏自身が直談判の中身を尋ね、応援の気持ちを伝えていたということ」(辰巳氏)にほかならないのですが、そこをそうは認めないのが、この国の首相「シンゾー氏の強シンゾーたる所以」─。

 辰巳「昭恵氏は、この3月15日の籠池氏の直談判が終わった直後に、籠池氏に電話をしたんですか?」
 首相「この売買について〔昭恵氏は〕金額の交渉等には一切かかわっていない」
 (答えにならない答えに辰巳氏、再度同じ質問をする)
 首相「急に3月15日にということ、事前通告していただかなければなりませんよ、そんなものは! それ普通、常識じゃないですか。真面目に審議をしたいのであればですね、事前通告してください!」

と、もうキレにキレまくる「強シンゾー」氏なのでした。
それにしても財務省の佐川宣寿・前理財局長(現・国税庁長官)が、国会で再三「廃棄した」と繰り返したあの答弁は、いったい何だったのでしょうね?

02/01 きのうの東京新聞によると、大手電力10社の基幹送電線は容量の1〜2割しか利用されていないことが分かったそう。
そんな実態を明らかにしたのは、京大・安田陽特任教授(電力工学)。大手各社の基幹送電線399路線について、1年間に流せる電気の最大量に対し、実際に流れた量を「利用率」として分析したところ、それが全国平均で19.4%にしかならなかったということです。
大手電力各社がこれまで公表してきたところでは、「空き容量ゼロ」(電気を流す余裕がまったくない)とする路線は、全路線の34.8%の139路線。なかには「6〜7割がゼロ」という会社まであったほど。
「空きがない」を理由に、後発エネルギー事業者は高額の「送電線増強費用」を求められたりする事例が全国的に頻発、そのことが、再生可能エネルギーの導入を阻む最大の障壁となってきたのです。
で、きょうは「大手電力=悪玉コレステロール論」というわけでした。