「旅する蝶」のように ある原発離散家族の物語

  岩真 千 著 

放射能雲に追われ、沖縄へ避難した身重の妻と幼な子。ひとり身となった夫は、2000kmの距離を往ったり来たり。原発事故への怒りと涙の "半難民生活"。「5年半に及ぶ別居生活でみえてくる避難をめぐる軋轢、いじめ、そして沖縄問題。自主避難の理不尽が胸に迫る…それが正しかったかどうかなんて誰にもわからない」(文芸評論家 木村朗子氏)、「見えないもの、見たくないものを、見ずにはいられなくする書物」(『週刊新潮』評論家 武田将明氏)、「原発の恐ろしさと沖縄の哀しみ―ふたつを背負って苦闘する家族の重い記録。…記録文学の輝かしい到達点」(編集者・鈴木耕氏)

霧ケ峰のニッコウキスゲ群落(17.07)

零細出版人の遠吠え

08/21 わが家の屋根にソーラーパネル24枚を設置して、もうかれこれ8年になります。もっぱら「環境にやさしくありたい」「原発の電気は使いたくない」といった "自己満足" から始めたことなので、「3・11原発震災」のときには、「やっててよかった」と胸をなで下ろしたものでした。
ところがその翌年、「再生可能エネルギー買い取り制度」(FIT)が施行されてから、各地に雨後の筍のように巨大発電設備が林立し、それが必ずしも環境にやさしいわけではないことが明らかになってきました。そう、いわゆる「メガソーラー問題」です。
けさの東京新聞が、2つの記事でこの問題を取り上げています─。
ひとつは、〈メガソーラー 共存への課題(上)〉という形で、千葉県成田市の印旛沼のルポを掲載しています。それによると、14.2haのアシ原をメガソーラーにした結果、「鳥の鳴き声でうるさいくらいだった」湿地が、いまでは鳥の姿も少なく、「整地された地面からは砂ぼこりが舞って」いるそうです。
もうひとつは「太陽光発電所アセス広がる/環境変化/条例で対応」という記事。太陽光発電所は現在、環境影響評価(アセスメント)法の対象外とされているのですが、各自治体が独自にこれを法の対象とする動きが広がっている、ということです。
山梨県や長野県の山間部を行くと、山の斜面の樹木が大規模に伐採され、無粋なメガソーラーに置き換えられているという光景が、あちこちで見られます。
さすがに、あれだけの乱開発が進められるとなると、環境への負荷は無視することができません。一刻も早い国レベルでの規制が望まれるところです。

08/18 キム・ジョンオン氏が米領グアム周辺への弾道ミサイル発射計画をぶち上げれば、ドナルド氏は「火」だの「恐怖」だの、思いっきり物騒な言葉を並べ立て、果ては「斬首作戦」なる究極の脅しまで繰りだしました。
「嗚呼、理性というものはこの世界から消え失せてしまったのか?」などと思っていたら、急転直下、キム氏が「賢明な判断を下した」のだそうです。
一方、そんな馬鹿げたやりとりを「千載一遇のチャンス」とばかり蠢き出した、怪しげな連中がいたのを見逃すわけにはまいりません。いつだかもありました。「軍事評論家」と称する何やらうさん臭い人たちが、TV画面を占拠したかに思えた時期が。
で、このドサクサに紛れ、防衛省は「北朝鮮の弾道ミサイルへの対処」を口実に、陸上配備型の新迎撃システム「イージス・アショア」の導入を決めました。
「北朝鮮の弾道ミサイル」を言えば、何でもあり。1基800億円といわれる新迎撃システムは、2基で1600億円。その裏には、「アンメリカファースト」を叫ぶドナルド氏や米国の軍産複合体の思惑、そして日本政界の国防族や、「千載一遇のチャンス」に敏感な大手商社の思惑が蠢いているに違いありません。
「火事場泥棒」とはこのことです。

08/17 何の信仰心も持たないのに、世間様の「お盆」を口実に、勝手ながら長期間「吠え方、止め!」といたしました。
で、さっそく、あのドナルド氏です。言うことなすこと目茶苦茶で、いくら何でも米国民の多くは、もはや我慢の臨界点を越してしまったのではないでしょうか?
先日、バージニア州シャーロッツビルで起こった白人至上主義団体とカウンターとの衝突事件に対する発言には、あのお方の本性がよーく表われています─。

 12日 衝突事件発生。
    「各方面による憎悪や偏見、暴力を可能な限り最も強い
     言葉で非難する」…〈どっちもどっち〉。
 14日 世論の猛反発に驚き、「人種差別は悪だ」と用意された
     原稿を読み上げ、事態の収束を図る。
 15日 「誰も言わないが、私は言う。反対派の集団は、許可無し
     に突進してきて、非常に暴力的だった」「左翼とみられ
     る集団は、暴力的に他の集団を攻撃した」。

と。14日は役人の書いた原稿を読んだだけでしたが、これにはどうにも肚が収まりません。そこでついつい飛び出したのが、ホンネの「オルト・レフト」口撃でした。
あれーっ、デジャヴュ。似たような話、私らのとこにもよくありましたね? 靖国問題、とりわけ近隣諸国への加害責任などをめぐり、この国の宰相がとった態度を思い起こしてみてはいかがでしょう。
「言葉の無責任さ」において、彼我のトップはまったく同類ということなのでしょうね。

08/09 日本とは違って「会食作戦」などでは容易に手なずけられない米国メディアに手を焼くドナルド・トランプ氏、自分に批判的なメディアを「フェイクニュースだ!」などと罵倒するだけでは飽き足らず、とうとう自分のFacebookで、自画自賛動画「リアルニュース」の配信を始めたそう。
キャスターを務めるのは、元CNNの女性コメンテーター、カイリー・マッキーナニー。「ハフポスト」が伝えるところによると、約1分半の番組はこんな具合だったよう─。

「マッキーナニーは『1週間のニュースをここニューヨークのトランプタワーからお伝えします』と話し始めた。4日に発表された雇用統計を紹介し『トランプ大統領は明らかに経済を正しい方向に戻している』と実績を讃えた。
さらに『アメリカ国民の雇用を守るため』として移民を規制する法案を発表したことやベトナム戦争の功労者らを表彰したことなどを伝えた上で『これがリアルニュースです』と動画を締めくくった。
 ロシアの介入疑惑や、相次ぐ政府高官の辞任、就任前の言葉と矛盾する17日間もの夏休みを取ったことなど、トランプ政権に都合の悪い話題には一切触れなかった。」

そりゃそうでしょう。「リアルニュース」だなんて言うけれど、ついつい、核実験やミサイル発射の成功を伝えるキムさんちの自画自賛ニュースを思い出してしまいますよね。
トランプさんの「アンメリカ・ファースト」に倣って「日本ファーストの会」を立ち上げたみなさま、こんなことまであやかるのはお止めください。

08/08 2016年6月に政府の国家戦略特区WG(八田達夫座長)が愛媛県と今治市からヒアリングを行なったさい、加計学園の幹部3名が同席していたこと、しかもそこで発言していたにもかかわらず、公表された議事要旨ではそれがスルーされていること、が大問題になっています。
そんなとき、本日発売の『週刊朝日』が、「加計ありき」を補強する新事実を明かしています─。

今治市が国家戦略特区に獣医学部新設を申請する2カ月も前の2015年4月2日、同市幹部職員が「獣医師養成系大学の設置に関する協議」のため、内閣府を訪問。そして急遽「官邸訪問」が決まり、15時から1時間半、官邸で打ち合わせを行なった。
これに「複数の加計学園幹部が同行」していたというのだ。そもそも一地方自治体の職員が何で官邸を訪問できたのか、訝しがられているというのに、応対した柳瀬首相秘書官からは、「準備、計画はどうなのか」「しっかりやってもらわないと困る」などという話があったというのは、ますます不可解。
なぜなら、しつこいようですが、これは同市が国家戦略特区に申請を出す前のことだったのですから。
どう見ても、「加計ありき」はいよいよ明白。

08/07 内閣改造後の5、6日に朝日新聞社が実施した全国世論調査によると、 アベ内閣支持率は35%で、ほぼ横ばいだったそう。
第2次アベ内閣発足以降過去3回の「改造」直後の調査では、いずれもそれなりの「改造効果」が見られたというのに、今回はそれがあまりない。
そうこうするうち、さっそく「劣化カクリョウ弾」が炸裂。その「リードオフマン」となったのが、今回めでたく沖縄北方担当相に就任あそばされた江崎鉄磨氏。現在6期目の衆院議員だそうですが、聞けば、ああやっぱり世襲の二代目。
入閣そのものが「重荷だったの。はっきり言って」なんて告白するところからすれば、このお方、ひょっとして「正直者」なのかもしれませんが、その後がいけません。記者団から、閣僚としての「対応方針」を問われ、

「しっかりお役所の原稿を読ませていただく。答弁書を朗読かな」

とお答えになったそう。ああやっぱり「2文字冠付きの正直者」なのかもしれません。
しかも、その発言の真意について、東京新聞の記者から問われ、

「自分の思いで話すと、どこかで揚げ足を取られかねない。間違えたことを言ってはいけないという意味。答弁書を自分でチェックした上で読む」と説明したというから、ただただ恐れ入るばかり。